
こんにちは、トモジです。
今回は、Waves社のプラグインエフェクトPuigTec EQP-1A/MEQ-5の
基礎知識や使い方・音の違いに関して記事にしました。
PuigTec(プイグテック)とは、PulTec(パルテック)をWaves社がモデリングしたプラグインです。
[モデリングとは、実機をDAW用エフェクトで再現した事]
※DAWとは、(Digital Audio Workstation)PC上の音楽制作ソフト
1.PuigTec EQP-1A/MEQ-5について
PuigTec EQP-1A/MEQ-5は、Jack Joseph Puig(ジャック・ジョセフ・プイグ)が
使用していたPulTec EQP-1AとMEQ-5の事です。
- Puigさんが使用していたPulTec → PuigTec [Waves社が独自に命名]
Jack Joseph Puigが分からない方は以下のリンクを参照してください。
Jack Joseph Puig(ジャック・ジョセフ・プイグ)について
EQP-1A・MEQ-5は、以下の音域に特化している。
EQP-1A・・・低音処理と高音処理に特化
MEQ-5・・・中音処理に特化
PulTec EQP-1A/MEQ-5について
Pultecは、1951年から約70年近く時を経ても、
世界中のスタジオで愛用されているビンテージEQ(イコライザ)です。
回路に真空管を使用しているので、柔らかく温かみのあるサウンドメイクや
ブーストしながらカットが可能であり、独特なサウンドメイクも出来ます。
2.PuigTec EQP-1A/MEQ-5の使い方
EQP-1AとMEQ-5では、設定箇所の名前が少し違うので別々に見ていきましょう。
PuigTec EQP-1Aに関して
低音の設定方法[20~100Hz]
![EQP-1Aの低音[20~100Hz]設定写真](https://tomojiblog.org/wp-content/uploads/2019/08/20~100Hz-5-1024x319.png)
- [LOW FREQUENSY(ローフリークエンシー)]・・・周波数レンジを20~100Hzの4段階で変更
- [BOOST]・・・LOW FREQUENSYで設定した周波数をブースト
- [ATTEN]・・・LOW FREQUENSYで設定した周波数をカット
高音の設定方法[3~16kHz]
![EQP-1Aの高音[3~16kHz]設定写真](https://tomojiblog.org/wp-content/uploads/2019/08/3kHz~16kHz-2-1024x319.png)
- [HIGH FREQUENSY]・・・周波数レンジを3~16kHzの7段階で変更
- [BAND WIDTH(バンドウィドス)]・・・HIGH FREQUENSYで設定した周波数帯域の幅を設定
- [BOOST]・・・設定した周波数を周波数をブースト
高音の設定方法[5kHz・10kHz・20kHz]
![EQP-1Aの高音[5~20kHz]設定方法写真](https://tomojiblog.org/wp-content/uploads/2019/08/5kHz~20kHz-1-1024x319.png)
- [ATTEN SEL]・・・周波数レンジを5~20kHzの3段階で変更
- [ATTEN]・・・ATTEN SELで設定した周波数をカット
低音[20~100Hz]のみ同じ周波数帯域でブーストとカットが可能
ハムノイズ
[60Hz]や[50Hz]のハムノイズを付加できます。

ハム音またはハムノイズ(単にハムとも)とは、電源周波数に準じた低い「ブーン」という雑音のこと。
引用元: ウィキペディア ハムノイズ
PuigTec MEQ-5に関して
中音の設定方法[200Hz~1kHz(ブースト)]
![MEQ-5の中音[200Hz~1kHz(ブースト)]設定方法写真](https://tomojiblog.org/wp-content/uploads/2019/08/200Hz~1kHz-1-1024x226.png)
- 周波数レンジを200Hz~1kHzの5段階で変更
- 設定した周波数のブースト
中~高音の設定方法[200Hz~7kHz(カット)]
![MEQ-5の中高音[200Hz~7kHz(カット)]設定方法写真](https://tomojiblog.org/wp-content/uploads/2019/08/200Hz~7kHzカット-1024x226.png)
- 周波数レンジを200Hz~7kHzの11段階で変更
- 設定した周波数のカット
高音の設定方法1.5~5kHz(ブースト)]
![MEQ-5の高音[1.5~5kHz(ブースト)]設定方法写真](https://tomojiblog.org/wp-content/uploads/2019/08/1.5~5kHzブースト-1024x226.png)
- 周波数レンジを1.5~5kHzの5段階で変更
- 設定した周波数のブースト
7kHz以外は、ブーストしながらカットが可能
ハムノイズ
[60Hz]や[50Hz]のハムノイズを付加できます。

3.音の変化に関して
ブーストとカットを同じ値に設定にするとプラスとマイナスで
打ち消しあって変化がなさそうに感じますが、少し音に変化が起きます。
厳密にはブーストとカットの効き具合(波形の違い)によって変化が起きます。
図を見ながら確認していきましょう。
PuigTecに音を通しただけでも音が変化する
以下の周波数特性は、PuigTec EQP-1Aに音を通しただけの変化に関してです。

EQP-1Aに音を通すと、以下の変化が起きます。
・音が少しブーストされる
・18kHz近辺が少しカットされ、少し温かみのある音に変化する
・音が柔らかく軽やかになり、アナログのガサつきが出る(波形では確認できない現象)
ブーストとカットで起きる現象[EQP-1A]

・60Hz以下の低音がブーストされ、130Hz付近がカットされている
・昔から、キックやベース・タムなどをカッコ良く仕上げるテクニックとされた
ブーストとカットでの変化量の違い[EQP-1A]

・設定する周波数値を高くすると・低音がよりブーストされる
・設定する周波数値を高くすると・カットされる周波数帯域が高くなる
BANDWIDTHの変化量の違い[EQP-1A]

BANDWIDTHの値を小さくすると、狙った周波数帯域をたくさんブーストする
5~20kHzでのカットの変化量の違い[EQP-1A]

ブーストとカットでの変化量の違い[MEQ-5]
![ブーストとカットでの変化量の違い[MEQ-5]の写真](https://tomojiblog.org/wp-content/uploads/2019/08/MEQ-5Peak10-DIP10-変化量の違い-815x1024.png)
・EQP-1Aほど顕著な違いはでない
まとめ
今回は、PuigTec EQP-1A/MEQ-5の基礎や使い方・音質の違い関しての記事でした。
少し複雑なプラグインですので、使い方を何度も確認して
色々いじって音の変化を楽しんでみてください。
ビンテージEQのモデリングプラグインを使用する利点は、
通常のクセがないEQでは作れない独特なEQカーブと音の質感(アナログ感)になります。
記事では細かい違いをグラフで記載したので、音の違いをイメージしながら
感覚に落とし込む作業を何度も繰り返して身に付けてください。
それでは、またお会いしましょう。
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[Wavesプラグイン]
上記の記事を参考にしてください。